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千葉地方裁判所 平成3年(わ)1506号 判決 1992年4月15日

本店所在地

千葉県市川市宮久保一丁目三五番一号

株式会社

優和

(旧商号 優和工業株式会社)

(右代表者代表取締役 岩谷高)

本籍

千葉県市川市市川南一丁目一、六三七番地

住居

同市市川南一丁目八番七号

会社役員

岩谷高

昭和二〇年一月三日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官川口克巳出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社優和を罰金一、二〇〇万円に処する。

被告人岩谷高を懲役一年に処する。

被告人岩谷高に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社優和(旧商号優和工業株式会社、以下、「被告人会社」という。)は、千葉県市川市宮久保一丁目三五番一号に本店を置き、金物取付工事業等を営むもの、被告人岩谷高(以下「被告人岩谷」という。)は、被告人会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人岩谷は、被告人会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空外注費を計上するなどの方法により所得を秘匿した上、平成元年七月一日から同二年六月三〇日までの事業年度における被告人会社の実際所得額が一億六、〇〇六万二、四八七円であったのにかかわらず、同年八月三一日、同市北方一丁目一一番一〇号所在の所轄市川税務署において、同税務署長に対し、その所得額が三、〇四四万四、一九八円でこれに対する法人税額が一、〇九四万二、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額六、二七七万〇、五〇〇円と右申告税額との差額五、一八二万八、〇〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人会社代表者である被告人岩谷の当公判廷における供述

一  被告人岩谷の検察官に対する供述調書五通

一  飯田一枝、塩崎裕子(二通)及び田端勤司の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料、売上高調査書、仕入高調査書、外注加工費調査書、交際費調査書、雑費調査書、受取利息調査書、雑収入調査書、事業税認定損調査書、交際費等の損金不算入額調査書、法人税額計算書及び脱税額計算書

一  検察事務官作成の電話聴取書

一  千葉地方法務局市川支局登記官作成の登記簿謄本二通及び閉鎖された役員欄の用紙の謄本九通

一  押収してある優和工業株式会社確定申告書一冊(平成四年押第五八号の1)

(法令の適用)

被告人会社及び被告人岩谷の判示各所為は法人税法一五九条一項(被告人会社についてはさらに同法一六四条一項)に該当するところ、被告人会社については情状により同法一五九条二項を適用し、被告人岩谷については所定刑中懲役刑を選択し、被告人会社につき所定金額、被告人岩谷につき所定刑期の各範囲内で、被告人会社を罰金一、二〇〇万円に、被告人岩谷を懲役一年に各処し、被告人岩谷に対し、情状により刑法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 土屋哲夫)

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